2013年2月10日日曜日

why do we have to...

どうして頑張らなきゃいけないの?

昼ご飯を食べながらテレビを見ていたら、カナダで自給自足生活を送る青年の姿を追った番組をやっていた。

彼に言わせると、働いて、お金もらって、スーパーに行って食材を買うのは手間。
野菜が必要なら自分で作ればいい。家が必要なら、いちいち金をためて、他人に金を払って作ってもらうのではなく、自分で建てればいい。

なるほど。

サッカー選手になる夢に破れて世界を旅してみて、日本でいうところの「常識」に疑問を抱くようになった。旅をした先では、みんなもっと適当に生きていた。これでいいんだ、と気が楽になった。働いてお金を稼ぐことの意味を考えさせられた。

なるほど。

でもたぶん、自給自足のその日暮らしをしていた昔の人たちは不自由を感じたから、今の社会を作ったのだ。

私はワインを作るのが得意だけど、パンを作るのは苦手。お隣さんは逆。だったら、お互い得意なものを作って交換しましょう。その方がワインもパンもたくさん作れる。そんなノリで始まった分業。そのうち、物々交換より、通貨があった方が便利だと気付いて労働の対価として金銭が支払われるようになり、人々は未来の自分のために貯金をするようになった。そのうち、いろんな社会制度も出来上がった。医療保険制度に年金制度。

でも、安心料が心の負担になることも多い今の社会。

その日暮らしの不自由さから解放されるためにいろいろ頑張ったのに、結局その日暮らしをしている人たちの方がのんきで、幸せな生活をしているとしたら、なんという皮肉。

青年は、自分の人生に迷いはない、と言っていた。それを聞いた番組司会者は、そのように言い切れる若者が日本にどれだけいるだろうか、と言っていた。

でも…カナダで暮らすあの青年はいざとなったら森の中で野垂れ死にする覚悟があるのだろうか。

私にはないな。金儲けの意味など考えもせずに、ストレスに押しつぶされそうになりながら、社会の荒波にもまれて、迷いながらがむしゃらに頑張るのもいいと思う。自分が育てた泥つきオーガニック野菜をのんびり食べるより泥臭い人生かもしれないけれど、そんな人生も捨てたもんじゃないと思う。

青年の父親が、息子が社会に出る機会がないまま自給自足生活に入ってしまったことを微妙に気にしていたけれど、やはり、歯を食いしばって家族のために働いてきた人間には息子のような生き方はどこまで行ってもふざけてるように映るのかもしれないと思った。

そもそも、なんで歯を食いしばらなきゃいけないの?

そんな息子の声が聞こえてきそうだけど。

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